南欧

中東や北アフリカからの移民・難民の玄関口にとなるのが南ヨーロッパで、パリ同時多発テロの容疑者の侵入ルートも南欧で、ギリシャ金融危機が波及するのも南欧諸国とのこと。今年何かとニュースで取り上げられる話題に南欧が関連することはとても多く、地中海沿岸の太陽の光降り注ぐ陽気なイメージだけではないことくらいは、なんとなく感じ取ることができたこの1年。そんな南欧の映画TOP3。もともと数が少ない上に、なかなか面白い映画に出会うことも少ない南欧映画。
「パンズ・ラビリンス」 2006 スペイン1944年、スペイン内戦で父を亡くしたオフェリアの母カルメンはフランコ軍のビダル大尉と再婚。ビダルは自らの側で子を産ませるため、身重なカルメンをレジスタンスと激しい戦闘が続く山奥へ強引に呼び寄せる。おとぎ話が好きなオフェリアは嫌がったが母と一緒に連れて来られる。そこでオフェリアは不思議な虫に誘われ森にある古い迷宮に入り込み、迷宮の守護神パンと出会う。パンは、オフェリアこそ数百年前にいなくなった地下の魔法の王国の王女に違いない、それを証明するため満月までに三つの試練を乗り越えよと語る。
「ライフ・イズ・ビューティフル」1997 イタリア念願の本屋を持ったユダヤ系イタリア人のグイドは紆余曲折を経て結ばれた妻のドーラ、息子のジョズエと幸せな家庭を築いていた。しかし周囲ではユダヤ人の権利を阻む人種法が幅をきかせており、ついには息子の5歳の誕生日の日に、叔父とグイドとジョズエは強制収容所に連行されてしまう。魂の抜け殻となった男達がひしめく収容所。その状況を理解できていない息子に対しグイドは咄嗟に、自分達はゲームに参加しているんだという作り話を始める。
「アンダーグラウンド」1995 ボスニアナチスがユーゴに侵攻した41年のベオグラード。マルコはブラッキーと共産パルチザンに参加し義賊と評判になる。彼は祖父の屋敷の地下に弟イヴァンやブラッキーの妻ヴェラたち避難民を匿う。愛人の女優ナタリアが独将校の愛人になったが為に拷問されたブラッキーを救出し彼も地下室に…。45年に終戦しユーゴ連邦が発足。61年にはマルコはナタリアを妻にし連邦政府の重鎮に…しかし、地下に匿われた人々は未だドイツ占領下と信じ込まされていた…。