島根の東の端まで、大阪からだと車で3.5時間。島根の東の端から西の端まで車で走っても3.5時間。本土から後鳥羽上皇や後醍醐天皇が島流しされた隠岐の島まで船で行っても3.5時間。そんな島根に住んでた小泉八雲の著書を読む。
「新編 日本の面影」 ラフカディオ・ハーン著 (角川ソフィア文庫) 1894松江、出雲大社、宍道湖などなど、知ってる単語は沢山出て来るんだけど、それ以上に地元の自分がまったく知らない島根の文化や歴史を小泉八雲はよく知っている。島根がとても好きということがひしひしと伝わってくるから読んでて気分がいい反面、まだまだ地元への理解が自分には足りないなぁと思ってしまう。地元民が外人に負ける訳にはいかないということで、さらに2つの本を読む。「賑々しく原始的な石見に対して、都らしく文化的な出雲」出雲出身の身としてはなかなか都合の良い文章だな。堺市よりも人口の少ない島根、国政選挙の投票率がほぼ不動の一位である島根、神有月の島根、次帰るのはGWになるのかな。
「日本の民家」今和次郎著 (岩波文庫) 1922(抜粋)ー出雲の松江付近は山陰道で一番都らしい気持ちのする土地である。宍道湖の眺めは素敵だし、それに続いて豊沃な斐川平野が広がっているからだ。この平野の家々は、黒松を植えてそれを刈り込んで防風垣を作っているのが著しい。(中略)石見の国などはその名の通り山ばかりの国である。でも、京都寄りの方の国々とはちがって、石見の国の村や町には何となく賑々しい感じがある。海岸よりの部落にはたいてい赤瓦の屋根の家々が密集していて、丘や山の断れぎれの個所にそれらはこじんまりと作られている。
「手仕事の日本」柳宗悦著 (岩波文庫) 1948(抜粋)ー島根は石見と出雲の二国から成っていますが、互いの気風がまるで異なる。石見の方は荒々しく強く、力を感じます。これに引き換え出雲の方は穏やかで温かで細かいところがあります。男性と女性とにも譬うべきでしょうか。一方は波風の激しい磯がそうさせたのかも知れません。一方は物静かな湖水がそうさせたのかも知れません。石見の方は原始的で出雲の方は文化的であります。
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