立て続けに韓国の映画をいくつか見る。ほんの10年前には日本に入ってくる韓国映画はとっても少なくて、その印象が強いものだからずっと気にもしていなかった韓国映画。最近何かと話題の韓国だから、K-POPにはまったく興味がわかないけれど、気になる映画をまとめて4本見ることに。ひとつはまったくつまらなくて、2つは普通。そしてもうひとつ「息もできない」は☆5つ。今年見たすべての映画のなかでもTOP3に入るでは?儒教が色濃く残るといわれる韓国の、長幼の序を尊ぶ感じがどの程度のものか。そのニュアンスがわかっていればもっとおもしろかったとは思うけど、それはなかなか難しい。クリスマス(キリスト教)を楽しんで、除夜の鐘(仏教)を聞いて年を越して、初詣(神道)で祈願して、礼や義や仁(儒教)といった思想に、風水(道教)も楽しむ日本人の、そのニュアンスを理解して日本映画をみる外人だってほぼいないでしょう。まぁ細かなことは無視しても面白い映画は面白いから、それはそれでいいのかな。
「息もできない」2008 ☆5キム・サンフンは誰をも「糞野郎」と見下し暴力を揮いつつ、上司マンシクの指示でチンピラたちを連れて借金の取立てに廻る毎日を送っていた。彼が優しい顔を見せるのは甥のヒョンインを迎えて遊んでやるときだけだ。そんなサンフンが、ある日些細なことから少女ヨニとの口論のあげく奇妙な恋情を抱く。サンフンはヨニに酒を奢り、彼女もサンフンの姉やヒョンインと友情を結ぶのだった。そんな毎日の中、ヨニの弟ヨンジェがマンシクのもとに仕事を求めてやって来る…ヤン・イクチュンの各国で絶賛された衝撃的監督デヴュー作。
「母なる証明」2009 ☆3ヘジャとトジュンは、二人静かに暮らす親子である。ヘジャは早くに夫を亡くして以来、読み書きの出来ないトジュンを女手一つで育ててきた。ある日、町で女子高生が殺害される事件が発生する。トジュンは第一容疑者として、警察に逮捕される。弁護士も警察も信用できないヘジャは、一人で真相の究明に乗り出した…
「殺人の追憶」2003 ☆31986年から91年にかけてソウルから50キロ離れた農村で、実際に起きた猟奇的な女性連続暴行殺人事件(犯人は今も逮捕されておらず未解決)を題材にした映画。女性暴行殺人事件が発生し、パク刑事は捜査を開始するが有力な手がかりが得られないまま、二人目の犠牲者が生まれる。ソウルから応援にきたソ刑事も合流し、二人の刑事は時には反目しあいながらも、捜査を続ける。何人かの容疑者は浮上するが、決め手のないまま、犠牲者は増えていき、刑事たちは必死に犯人を探し続けるが。。。。。
「春夏秋冬そして春」2003 ☆1人里はなれた山間の湖に、ひそりと浮かぶように建つ庵。そこには老僧と幼い男の子が慎ましく暮らしていた。その幼子がふとした悪戯から殺生の業を背負い、寺を訪れた少女に抱く恋心で欲望と執着を知り、やがて俗世の汚れから虚無の悟りへと導かれるさまが、移ろいゆく春夏秋冬の美しさと共に描かれる。欧州・全米公開のロングランで話題を呼んだ鬼才キム・ギドク監督の第9作。
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