一乗寺にて神戸や明石ほど海側でなく、丹波篠山ほど山奥でもない、そして姫路や赤穂ほど西でもなく、三田ほど東でもない、あまり印象に残っていない場所、北播磨に行く。目的は国宝巡り。兵庫県には姫路城と5つのお寺が国宝に指定されており、意外にも47都道府県で京都、奈良、滋賀に次いで4番目に国宝の建物が多い県。で、そのうち3つが北播磨にあるようなので、とりあえず行ってみようかと。観光客のまったくいない静寂の名刹を、加西市の一乗寺→小野市の浄土寺→加東市の朝光寺とはじごして、宗派とか開山とか建立とか難しいことを気にすることなく転々とする。年末の騒々しい日常から離れてふらふらドライブ。ただ、一番良かったのは国宝ではなく、加西の酒造が営むレストランふく蔵。酒蔵を利用したお店の感じも、料理も、GRAPHの北川さんのCIもいい感じ。水と米だけで醸す純米蔵の思想も、それを支える加古川と山田錦の田園が広がる自然も、その中にぽつんと佇む酒蔵の感じもとてもいい。都会でも山奥のへき地でもなく、自然いっぱいだけど人が住んでいる、里山という言葉がぴったりな場所、北播磨。お酒をつくる環境とお寺をつくる環境にとても親和性がありそうな気にさせられた師走の暮れの日帰り旅行。
富久錦にて
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