放射線と放射能

新聞を見ても、テレビを見てもやっぱりよくわからない。良くなさそうに報じていれば、良くないんだなぁと思い、問題ないと報じれば、本当にそうか?と根拠なく疑う始末。実家から高校の物理と化学の教科書を持ち帰り、いくつかの雑誌や簡易な入門書も読んで基礎の基礎に触れてみる。
放射線と放射能」 (ナツメ社)自然界には90種類の原子がある。世の中すべて90種類の原子の組み合わせでできている。原子は何もしない限り他の原子に変わることは無い。酸素はいつまでも酸素のまま、金はずっと金のまま。だけど、一部の原子は勝手に別の原子に変わってしまう。変わるだけならいいのに、変わる時に放射線を出してしまう。その原子が放射能(放射性物質)である。だから放射線が漏れているのと、放射能そのものが漏れているのでは意味が違うし、飛散しているのが放射線なのか放射能かでも意味が違う。原子は原子核といくつかの電子でできている。原子核が太陽で電子が地球や火星のようなもの。放射線は電子をはじき飛ばして原子を壊してしまう。人間にとってはDNAが傷つけられることになる。それが放射線の悪いところ。放射能によって発生する放射線も違うし、エネルギーも違う。放射線の種類によって破壊力も透過力も違う。だから話しはややこしくなる。ウラン238はn線を出し、45億年でエネルギーが半分になる。n線は破壊力が大きく、透過力も大きい。プルトニウム239はα線を出し、2.4万年でエネルギーが半分になる。α線は破壊力が大きく、透過力は小さい。ヨウ素131はβ線を出し、8日でエネルギーが半分になる。β線は破壊力も透過力も小さい。さらに、一度原子が変わって終わりでなく、次から次へといろんな原子に変わっていくものもある。変わるたびにいろんな放射能も出していく。だからよけいにややこしい。